店主さんぽ 店主のツブやき

店主の韓国日記 ~DMZツアー~

2017-08-17

今回の旅の目的は「食べる」だけではありません。

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もうひとつ別の目的で行ってきました。

 

DMZ(非武装中立地帯)へ行く

 

闇ルートで行くとかそんなのではありませんよ(笑)

日本の旅行会社が普通に企画しているツアーですが、何かと心配しすぎる家族には行くことを告げず。

でも、誰にも言わずに行くものなと思い地元同級生 大橋さん に・・・

店主
店主
国境付近に行ってくるわ

と、伝えておきました。でも、伝えられたほうは何の事だかって感じですよね。DMZツアーに申し込みをしたものの内容はほとんどわかってなく。。申し込んでから少しだけ調べました。

 

DMZ・・ 非武装地帯(demilitarized zone)。

戦争・紛争状態あるいは停戦状態にある2つ以上の国家(または軍事勢力・同盟)の間に、平和条約・休戦協定などによって設けられる、軍事活動が許されない地域のことである。多くは、事実上の国境である停戦ライン(軍事境界線)の周辺に設けられる。

wikipedia

 

非武装中立地帯というのは軍事活動が許されてない地域のこと。朝鮮半島以外にも世界にはいくつかあるそうです。

事前に調べたのはこれだけ。

あと店主の知識としては、学生の時に習ったことや、最近報道されていることくらいの情報で行きました。

ホテルに来たお迎えの車に乗り出発。

今回のガイドさん。

日本語がかなり上手でこちらが言ってることも全て理解してくれました。そして、日本の色々な話題になってる政治的な問題(このハゲ―発言も含む)を熟知されていました。

日本人4人+オーストラリア人+韓国人ガイドさんの合計6人で最初の目的地へ車を走らせます。

検問所までの道のり

北朝鮮と繋がってる川沿いの道を走りながら

・今日行く場所について
・38度線について
・DMZとはどんなエリアなのか

など沢山のことを説明してくださいました。

38度線って「38度ラインにない」って聞いた時には驚きました!この事実、恥ずかしながら店主は知りませんでした。その他にも現地に行かないと知らない情報がたくさんで興味深々で色々と質問もしちゃいました。

ソウルから離れていくにつれ風景がどんどん殺風景になっていきます。

ちょっと見にくいですが、写真下の部分の黒い線が電流が流れている有刺鉄線。この川は北朝鮮と繋がっているので、流れを利用して昔は人々が侵入してきたそうです。

リアルにみると、ちょっと重たい・・・。

約1時間程度移動したところで休憩を兼ねた最初の観光場所に到着しました。

IMJINGAK

韓国の方が来ることができる最北端の場所。北と南で別れ別れになった家族がこの最北端の場所にきて相手を想うと言われています。

分裂についての写真。

自由の橋。北へつながる鉄橋。
もちろん今は使われていません。

自由の橋へつながる道、最終地点。願いが書かれた布がたくさんありました。

とても歴史がある場所ですが、遊園地もレストランもあるパーキングエリアとなっています。

軍人さんのマスコット。グッズも売られていました。

マウンテンデュー発見!

車からバスに乗り換えて次の目的地へ出発です。

検問所通過

この先からは他のツアーと合流しました。

ひとクラス分くらいの人数の参加者さんが既に乗っていました。かなりの多国籍!様々な言葉が飛び交ってました。

ここからがツアー本番です。

DMZに入る為にはまず検問所を通ります。軍人さんがバスに乗り込み、1人1人パスポートチェック。ココからは韓国人は入ることができません。韓国人ガイドさんは特別なカードを持っていました。

検問過ぎたらOKが出るまで写真もNG。検問所を通過するとのどかな風景が続いていました。このエリアは統一村といって民間人が住んでいるエリア。検問所内にあるのでソウルなどお出かけするときには毎回検問を受ける必要があるそうです。現在は稼働していないケソン工業団地へと続く道もありました。

このあと、本当は、北朝鮮が見える「都羅展望台」に行く予定でしたが、今回のツアーでは中止。グアムへの挑発があったあの日です。ピリついた時にはこのように中止になるそうです。仕方ないですがちょっと残念。

そして今回のメインの目的地に到着しました。

DMZ

なんとPOPな色使い(笑)
ピリピリしたムードかと思いきや、全くそんな様子はありませんでした。

まずはDMZの資料映像を日本語訳付きで見ました。

朝鮮戦争の歴史、休戦調停について、DMZのこと、北朝鮮が何度も挑発していること、そして朝鮮半島の今後の展望について。中でも衝撃的だったのが、北朝鮮は休戦中も地下にトンネルを掘って韓国へ侵入しようと試みたということです。

ダイナマイトを差し込み掘り進めていく。
全ては手作業。

トンネルは4つ見つかっていて一番最後の発見が1990年。。。って、そんなに昔じゃない!でも、こんな地下300m以上深いところを掘ってるのになぜトンネルを見つける事ができたの??って不思議ですよね。

なんと北朝鮮からの亡命者が、このトンネル掘りに携わっていて亡命時にそのことを伝え、そして、情報を得た韓国は長い期間をかけてある方法を使ってこれらのトンネルを見つけたそうです。

資料映像を見た後は、その4つのトンネルのうち、第3トンネルを見に行きました。

ずんずん奥底にいくと、突き当りに板がありました。板は一定間隔で、数枚設置されています。何かしら危険があっては危ないということで設置されたそうです。

見えていた最後の板から170m先が北朝鮮領土。近いのに入ることができない土地ってなんだか不思議です。

トンネルから帰ってきたらまた資料館に戻り展示物をみました。

休戦調停のサイン。

帰さざる橋 と 事件があった木。

日本の教科書には載っていないであろう歴史がありすぎました。

説明を聞き終わって、建物周辺を散策。

地雷が埋まってる場所。

えーーーー!
こんな近くにあるの???

3歩進めば地雷エリア。
もちろん立ち入り禁止の印がありました。

軍人さんの人形。
黒いサングラスをかけているのは韓国の軍人。

北朝鮮の軍人と目が合わないようにするため。目が合うと挑発行為ととられかねないから。

ちゃんと理由があるんですね。

南北が一緒になるようにと願った像。

ガイドさんいわく、観光業界にとってはとても潤うエリアだそうです。確かに、私たちのバス以外にも数台止まっていました。

資料館が終わってバスに乗り込み次の目的地へ向かいます。

都羅山駅

韓国最後の駅。つまり北朝鮮へ向かう出発点です。ある事件をきっかけに行き来がなくなったそうです。

駅構内はとても立派な空間です。

こちらは出国ゲート。


日本の空港のようなイメージ。

荷物を検査する機械など見えました。

列車に乗るためのホームへ行くゲート。

ホームの中に入ることができました。

とにかく大きくて、キレイ。

案内看板

平壌方面。線路はつながっているのでここを進むことができれば北朝鮮へ行くことができます。

ソウル方面。観光列車か、何かがとまるそうですが通勤などで使ってる人はいません。

ホームの柵にはやはり有刺鉄線。

 

開通すれば韓国からヨーロッパまで列車で行くことができます。

この駅が活躍する時が来るのでしょうか・・。

 

この駅の見学が最後で店主が参加したツアーは終了。1日コースの皆さんはまた別のところへ旅だっていきました。

半日コースメンバーは日本語通訳なしの多国籍のバスに乗って街中へ向かって出発。

情報量が多すぎて頭をフル回転したからか、もしくは、隅から隅まで見るために動き回ったからか、バスに乗った途端グッスリ眠ってしまいました。

到着のアナウンスが流れた時目が覚めたのですが、今日いろいろと見たり聞いたりしたことは

全て夢だったのかな、、

という不思議な感覚で目覚めました。

店主の日常生活からはあまりにかけ離れているけども、全ては事実であり現地の人にとってみれば現実のこと。

ある日突然戦争が始まったら、ある日突然日本が真っ二つに分裂したら、、、想像もつきません。

ツアー終了

国会議事堂近くで下車。

さっきまでのあの殺風景な景色が嘘のような大都会。

これで移動を含めた6時間のツアーは終了しました。

思ってた以上により多くのことを感じ取ることができた有意義な時間となりました。百聞は一見にしかず。たった半日でしたがとても勉強になりました。

 

ツアー中、一緒になった現在韓国に留学中の日本人大学生さんに「ガイドさんには聞きにくいこと」を色々と聞いてみました。

 

ミサイルについて。

日本で報道されている以外にもかなりの数が飛んでいるそうです。日本でいう地震と同じような感覚。つまり、頻度が高すぎて「あ、また飛んでる」くらいの受け取り方。全てを恐怖に感じてたら普通の生活ができない…らしいです。

対日本について。

留学する時に周りに反対されたりかなり心配されたけど来てみたら案外普通だったそうです。身に危険を感じることもなく差別を受けることもなく楽しく過ごすことができている。ただ、こちらは全く問題ないのに「危険だから」と(日本側の)大学の要請で帰国することになった日本人交換留学生がいたとのこと。日本の報道との温度差を感じているらしいです。

 

その他、話題になってる日韓間の問題について韓国の人の本音はどんな感じなのか、など結構聞きました。日本では深刻に報道されてても案外違ったり、大学生レベルでも話題にすることがタブーな問題もあったり。

ネット情報、報道などではなかなか知ることができない事が沢山ありました。


どのフィルター(信念・経験・感情など)を通してみるか。
それによって事実は全く異なってくるんだなーって思いました。

ツアーとは全く関係ありませんが・・・せっかくだから横浜でも少し話題になってる「カジノ」にも行って来ました。

カジノ

予想していたよりもひらけた空間でした。

パチンコ屋さんなんかとあまり変わらないような??

 

これにて2泊3日の韓国日記は終了です。

今回の旅の内容を書くにあたって色々と考えました。きっと、好き嫌いがある内容。もしかしたら、賛否両論なご意見ももらうかもしれない。他にも「こんな時期に韓国行くなんて!!」とか。。

いつものように美味しいご飯だけを載せておけば当たり障りないのですが、きっと興味ある方もいらっしゃるとおもいアップしました。

 

最後に。

今回旅を通して思ったのが

他人のフィルターではなく、自分の五感を働かせて、「みる、聞く、肌で感じる」ことはやっぱり大切。

ということ。

百聞は一見にしかず
これを妙に納得した旅となりました。